管鮑の交わり

 幼い頃から、祖父母の家で中国人留学生とともに一つのテーブルを家族のように皆で囲む日々が私にとっての楽しみでした。餃子の作り方を教えてもらいながら、私たちはおにぎりの作り方を教え、互いの文化を共有し合い、語学は堪能でないながらに、言葉だけではないコミュニケーションで満たされるあの空間を懐かしく思います。

 5年前には、ご招待いただき日中友好会館ホストファミリー訪中団の一員として初めて中国に赴き、多言語を流暢に操る学生に刺激を受け、語学の勉強に力をいれるようになりました。九龍新区団地では人々の暮らしを垣間見、四川師範大学で学生と交流をする中で、現地で生の人々と文化に触れることができたあの経験は今でも私の人生の財産としてとても印象に残っています。
 昨今、国間での対立や衝突が多く目に入る様になる中だからこそ、個人対個人の交流や繋がりの重要性を心から再実感します。彼らにとっての日常と私たちにとっての日常の交わりから生み出される心地よさや、国という括りに縛られることのない豊かな交流が波及していくことを切に願いつつ、その糸を紡ぎだす一翼を担っていきたいと思っています。

2017年6月 日中友好会館ホストファミリー訪中団

          中国大学生との交流会 筆者(右2)

top
ページ