蘭州とのご縁
熊倉 潤
2009日本青年訪中代表団、
「JENESYS2019」日本青年研究者訪中団 団員
法政大学法学部国際政治学科 教授、法学博士
写真:黄河流域を参観 2019年7月 筆者(後列右2)
甘粛省の省都蘭州は、西安から北西に直線距離で約500キロ行ったところにある、黄河の流れに沿って広がる風光明媚な街だ。日本でも知名度を得つつある蘭州拉麺の本場でもある。そこに私は、2009年と2019年の2回、日中友好会館主催の訪中団で訪れることができた。
中国の西北部の民族関係に関心のあった私にとって、このご縁は意義深いものとなった。2009年の訪問では、同地のモスク(清真寺)を訪問し、指導者から話を聞く機会に恵まれた。個人で行ったのではとても会えない、この指導者の話を、できるだけメモに残そうと努めた。そこでの経験は、後に少数民族幹部政策を博士論文のテーマに選ぶきっかけのひとつになったといっても過言ではない。
2019年の訪問では、甘粛省社会科学院を訪れ、現地の研究者と学術的な交流をする機会を与えられた。ここでも私は、西北の発展と民族の問題について、また一帯一路の問題について、先方の話を聞き漏らすまいと臨んだ。甘粛省で伺ったことは、どれも研究をすすめるうえで貴重な糧となった。
今、日中関係はコロナ禍による打撃に加え、総体として不安と警戒心のなかにあるように思う。私個人の期待、希望としては、今後も研究者、専門家の交流が安全に行われることを切に願っている。
甘粛省社会科学院訪問・交流 2019年7月
筆者(後列右3)