招聘

「JENESYS2024」 2024年 日中障害者福祉青年交流代表団 

本事業は、共生社会を目指す日中両国間において、障害者福祉分野での協力は重要であることから、「障害者も参画できる包摂的社会を目指して」をテーマに、中国障害者連合会及び関連機関に所属する青年を訪日招聘し、テーマに関する視察・交流等を通じて、同分野での日中間の関係構築の一層の強化を図るほか、日本の経済、社会、文化、歴史等に関する視察など、多面的な日本理解につながる活動を行い、対日理解を促進することを目的として実施しました。

Highlight 

日本の障害福祉と包摂的社会の実現について理解を深める 

日本の障害福祉を理解するため、厚生労働省から日本の障害福祉の現状と課題についてブリーフを受けました。(一社)ラ・バルカグループ 久遠チョコレート代表 夏目浩次氏との座談会では、障害のあるスタッフを含め一人一人と向き合う職場作りを実践している企業姿勢に、団員は感銘を受けた様子でした。東京都立水元小合学園では、障害のある生徒を対象に個人に合わせた教育プログラムを実施し、企業就労につなげる取組に対し、教育分野における新しい発見を得たようでした。また授業にも取り入れている、新しいリハビリツールであるデジリハを体験しました。

街中や商業施設において、バリアフリートイレや視覚障害者誘導用ブロック、点字表示の整備などに注目し、日本社会のバリアフリーへの取組を体感しました。

2026年アジアパラ競技大会の開催地である愛知県を訪問 

杭州アジアパラ競技大会に続く開催地である愛知県では、愛知県知事を表敬訪問し、団長より杭州大会開催当時の様子が伝えられました。その後は、愛知県より競技大会の概要や開催に向けての取組・活動等のブリーフを受け、障害者スポーツ分野での交流の重要性を再認識しました。

実施概要 

招聘期間: 2024年8月5日(月)~8月9日(金) 4泊5日 

招聘人数: 合計29名(団長1名、事務局2名、団員26名)

実施団体: (公財)日中友好会館

派遣団体: 中国障害者連合会

派遣協力: 在中国日本国大使館

内  容: ・訪日テーマ「障害者も参画できる包摂的社会を目指して」に関するブリーフ、交流、視察

      ・日本の経済・社会・文化・歴史等に関する視察・参観

      ・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等

主な日程 

8月5日(月)
PM 来日、歓迎会
 
8月6日(火)
AM 厚生労働省ブリーフ、外務省表敬訪問
PM 愛知県へ移動、県内参観
 
8月7日(水)
AM 愛知県知事表敬訪問・愛知県ブリーフ
PM (一社)ラ・バルカグループ 久遠チョコレート代表 夏目浩次氏 座談会
 
8月8日(木)
AM 東京へ移動
PM 東京都立水元小合学園視察・デジリハ体験、歓送報告会
 
8月9日(金)
AM 日本科学未来館参観
PM 帰国

参加者の感想 

◆今回の来日では、バリアフリー環境に深く感動しました。身体の不自由な同僚が車椅子に座ったまま直接バスや新幹線に乗ることができ、バスルームにも点字のボタンを見つけました。さらに驚いたのは、日本人の友人たちの細心の配慮、弱い人々への自発的ないたわりです。駅の待合室に入るとすぐに見知らぬ日本の友人たちが、身体の不自由な団員のために席を譲ってくれました。彼らの言葉は聞き取れませんでしたが、善意そのものが最も美しい言語であり、うれしい驚きを感じました。またバリアフリートイレは主に身体の不自由な人にとって便利なトイレという印象でしたが、トイレの便器の洗浄ボタンに点字がついているのを見つけ、大事だが気付かれにくい細部が整然と並んでいて感動的でした。日本では、身体的なバリアフリーと精神的なバリアフリーがシンクロしており、この国の障害者は幸せだと思います。

◆日本はバリアフリー環境の構築に力を入れており、特にバリアフリートイレの普遍的な設置は、障害のある人が外出時にトイレを使用するのに非常に便利で、特別なリクエストをする必要がありません。この点は、より多くの障害者の社会参加に繋がり、障害者と一般の人々との間の障壁を取り除き、障害者と一般の人々との包括的な共存を促進しています。障害とは一種の行動や交流上の障壁であり、障壁を排除するための措置や、物理的な施設や設備が増えることで障害者と社会との間の統合の度合いが深まり、ほとんどの障壁が取り除かれると、障害者はもはや「障害者」と呼ぶこともなくなり、すべての人々がレッテルを貼られることなく調和して生活することができます。

◆今回の日本での交流では、あらゆる側面での障害者の社会生活への平等な参加において、多くの気づきという収穫がありました。1.バリアフリー構造の観点から、ホテル・レストラン・トイレ・その他の施設の詳細なデザインは、障害者に対する細心の注意が払われています。2.障害者の雇用に関しては、久遠チョコレート代表の考えは非常に感動的でした。3.障害児や青少年の教育に関しては、東京都立水元小合学園の環境は非常に良好で、特に近代的な情報技術を使用して障害者のリハビリテーショントレーニングを強化しており、科学技術が現代の社会生活のあらゆる側面に与える影響を有効に活用しています。4.障害者スポーツの面では、愛知県がアジア競技大会、アジアパラ競技大会を無事に開催できるよう願っています。

◆日本での障害者福祉青年との交流において、障害者事業に対する日本の深い注力と人間的ケアを感じました。確立された法制度、広範な社会的支援ネットワーク、革新的なリハビリテーション技術に触発されました。特に障害者の社会への融合を促進し、自己価値を実現するための努力は、私たちに貴重な経験をもたらしてくれました。その中でも、障害のある生徒に対して個別の研修プログラムを設計し、就職にもつなげることができる学校への訪問は、まさに教育分野における新たな発見でした。今回の訪日は、中国と日本の若者の友情を深めただけでなく、障害者事業について多くの新しいアイデアや方法を得ることができました。今後、障害者事業の発展を共同で推進するための協力の機会が増えることを期待しています。

◆日本の環境はとても素晴らしく、とても清潔で人々は礼儀正しく、トイレのバリアフリー設備は完璧で非常にきれいです。日本での障害者福祉青年との交流では、日本の障害者福祉事業におけるきめ細やかな配慮と革新的な取り組みを深く感じました。最も感銘を受けたのは、バス停の細かい点字標識からハイテク支援機器の開発と適用まで、バリアフリー環境の包括的な普及で、障害者社会に対する深い敬意と寛容を反映しています。また、日本の就労促進、職業技能訓練、障害者心理支援制度などの高度な経験は、貴重な学習サンプルを提供してくれました。今回の訪日は私たちの視野を広げただけでなく、私たちが中国における障害者事業の発展を促進するための新しい考えと決意をかき立てました。