「JENESYS2024」 中国社会科学院青年研究者代表団フォローアップ (日中青年研究者 座談会・交流夕食会)
本事業は、中国社会科学院青年研究者代表団のフォローアップ事業として、2012年~2023年に訪日した中国社会科学院青年研究者代表団参加者と、2024年9月8日(日)~ 9月14日(土)に中国社会科学院の招待により訪中した日本青年研究者訪中団参加者で座談会と交流夕食会を行い、日中関係について意見交換し、相互理解を深め日中両国青年間の友好を促進することで日中関係を更に強化することを目的として実施しました。
Contents
Highlight
交流座談会では、交流テーマに沿って専門分野の観点からの発表
1つ目の交流テーマ「訪日経験、訪中への期待」について、まず中国側代表者より過去の訪日経験の総括が、日本側代表者より中国及び現地調査への期待が述べられ、質疑応答が行われました。その後、2つ目の交流テーマ「日中関係」について専門分野の観点より、中国側・日本側参加者の代表者による発表が行われました。
専門分野の観点から、日中関係についてグループディスカッション
3グループに分かれ、日中関係についてグループディスカッションを実施しました。各自の専門分野の観点より、日中関係について活発に意見交換が行われました。米中関係や領土問題では認識の隔たりも感じられましたが、育児、働き方など、より身近なテーマでは共感し合う場面が見られました。交流夕食会では各グループで出た意見や議論の成果を発表し、少子高齢化、コンテンツ産業、フェミニズム、平和に対する考え方など、様々な観点から日中研究者による忌憚ない意見交換が行われることで、学術交流における相互理解を深めることができました。
実施概要
実施期間 | 2024年9月10日(火) |
参 加 者 | 計24名 |
【中国側】中国社会科学院青年研究者代表団参加者10名 | |
【日本側】日本青年研究者訪中団参加者14名 | |
実施団体 | (公財)日中友好会館 |
協 力 | 中国社会科学院 |
内 容 | ・訪日経験・訪中への期待の共有 |
・専門分野の観点から日中関係をテーマに発表・グループディスカッション等 |
参加者の感想
◆座談会での発表準備を通じて、前回の訪日からの8年間で、中日両国の文化創造産業で起こった大きな変化について振り返ることができました。その過程で、両国関係では色々なことが起こったにも関わらず、文化創造の分野では、双方が顕著な進展を遂げ、活気に満ちた状況であることを強く感じました。特に心強いと感じたのは、今回の活動で中国文化に対して強い関心を示し、友好的な交流の意欲を持った日本の新しい友人たちと出会ったことです。彼らのオープンな姿勢と探求心は、未来の中日民間交流での新たな活力となるでしょう。また、今回の交流を通じて、グローバル化の時代において文化交流の重要性がますます増していることを実感しました。それぞれの文化の特色や革新的な成果を共有することで、相互理解を深めるだけでなく、新しい創造的なインスピレーションを引き出し、両国の文化創造産業の共同発展を進めることができるのです。
◆中日双方の青年研究者の間には、高齢化への積極な対応、グリーン発展、伝統文化の継承と発展、社会保障と経済発展、環境保護など、多くの共通の研究分野があり、互いに学び、参考にしたいと思っています。インターネット時代において、情報取得は容易になりましたが、深い持続的な国際学術交流には、依然として相応のプラットフォームとチャネルが必要です。今回の交流は非常に良い機会であり、こうした交流活動がさらに多く開催されること、参加者同士が連絡を取り合い、理解を深め、人類運命共同体を共に築くこと願っています。また、交流のチャネルをさらに広げ、過去の参加者による定期的な交流活動を開催したり、研修、観光、相互訪問をしたりすることもできると思います。
◆1.日本の在職中研究者で交流活動を行っている人は多くありません。
2.若い世代と昔の日本人では、中国に対する感情は異なります。
3.日本の青年研究者は、最初は中国の状況を理解していませんが、一度説明を受けるとすぐに理解するようになります。これは現在の日本国内で中国に対する誤解が多いことを示しており、その根本的な原因は交流の不足にあります。
4.日本の青年研究者は、国内で得られる中国研究に関する書籍のほとんどが日本の研究者によって加工された情報であることを知っています。彼らが国内で得る中国に関する情報は二次情報なのです。中国の研究者による研究知識をより多く取り入れ、翻訳する必要があると思います。
5.日本の青年研究者は中国に対して強い関心を持っており、これは1980~90年代の日本人と根本的に変わりません。これは、中日間の文化的な絆と共通性が依然として強いことを示しています。
6.最近の中日関係について話す際、双方は冷静に交流し、理性的で真剣な考察を行うことができます。