「日中植林・植樹国際連帯事業」 2023年度中国大学生友好交流訪日団
本事業は、遼寧省・四川省の大学生・大学院生を招聘し、植樹活動、環境保護や防災に関するセミナーや関連施設の視察、日本の友好交流都市(神奈川県・山梨県)の大学生や市民との交流を通し、中国大学生の環境・防災意識の啓発を図るとともに、日中友好交流都市間の交流の一層の促進を図ることを目的として実施しました。
Highlight
友好交流都市を訪問、知事・副知事を表敬、日本の大学生と交流
遼寧省分団は神奈川県を、四川省分団は山梨県を訪問し、それぞれ県知事や副知事表敬を行い、両省県での友好交流の歩みを振り返り、親交を深めました。また、横浜国立大学や山梨県立大学を訪問し、日本大学生と共通課題について意見交換したり、日本のサークル活動を見学・参加したりと、様々な形式での交流を楽しみました。
両省県の友好の証として、記念植樹を実施
神奈川県では、「神奈川県立21世紀の森」にてヤマザクラ1本、イロハモミジ1本を、山梨県では、「世界の森やまなし」にて、山梨県立農林大学校の学生と共に、イロハモミジ13本、ヤマザクラ12本を植樹しました。山梨県では、農林大学校の学生の指導のもと、チェーンソーでの丸太切断体験も行いました。
全行程を通じ、環境・防災についての理解を深める
東京での「日本の生物多様性と自然を生かした防災」のセミナーを皮切りに、城山ダム・谷ケ原浄水場、防災センター、山梨県富士山科学研究所視察等を通じ、日本の環境・防災対策への理解を深めました。団員からは「自然を生かした防災は斬新な視点と感じた。防災・減災の重要性を学び、自然環境保護を大事したいとの思いを強めた」といった感想が聞かれました。
実施概要
招聘期間 | 2023年11月26日(日)~12月2日(土) 6泊7日間 |
招聘人数 | 50名(団長2名、事務局・引率4名、中国大学生・大学院生44名) |
【内訳】遼寧省分団(団長1名、事務局・引率2名、大学生・大学院生22名) | |
四川省分団(団長1名、事務局・引率2名、大学生・大学院生22名) | |
実施団体 | (公財)日中友好会館 |
派遣団体 | 中国日本友好協会 |
受入協力 | 神奈川県(遼寧省)、山梨県(四川省) |
内 容 | ・友好交流都市の訪問・交流 |
・植樹活動 | |
・環境・防災に関するセミナー、環境・防災施設の視察・交流・参観 | |
・大学訪問(日本大学生との交流、キャンパスツアー等) | |
・その他、日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等 |
主な日程 〈 遼寧省分団(神奈川県)〉
11月26日(日) | PM | 来日 |
11月27日(月) | AM | 環境・防災に関するセミナー |
PM | 神奈川県へ移動、大雄山最乗寺参観 | |
11月28日(火) | AM | 植樹活動 |
PM | 横浜国立大学訪問・交流 | |
11月29日(水) | AM | 城山ダム・谷ヶ原浄水場視察 |
PM | 神奈川県総合防災センター視察 | |
神奈川県・遼寧省友好交流提携40周年記念 交流会 | ||
11月30日(木) | AM | 神奈川県庁表敬訪問、神奈川県・遼寧省青少年書画交流展観覧 |
PM | カップヌードルミュージアム・三渓園参観、東京都へ移動 | |
12月 1日(金) | AM | すみだ北斎美術館参観 |
PM | 都内視察・参観、歓送報告会 | |
12月 2日(土) | AM | 帰国 |
主な日程 〈 四川省分団(山梨県)〉
11月26日(日) | PM | 来日 |
11月27日(月) | AM | 環境・防災に関するセミナー |
PM | 山梨県へ移動、ファナック株式会社視察 | |
11月28日(火) | AM | 山梨県庁表敬訪問・ブリーフ |
PM | 山梨県立大学訪問・交流、山梨県立大学学生とともに山梨県立美術館視察 | |
11月29日(水) | AM | 山梨県富士山科学研究所視察 |
PM | 植樹活動、山梨県立農林大学生との林業交流 | |
11月30日(木) | AM | 乾徳山恵林寺参観 |
PM | 忍野八海参観、東京都へ移動 | |
12月 1日(金) | AM | 北区防災センター視察 |
都内視察・参観、歓送報告会 | ||
12月 2日(土) | AM | 国会議事堂参観 |
PM | 帰国 |
参加者の感想
◆今回の交流活動では、日本の環境保護への取り組みや防災意識は、非常に学ぶ価値があると感じました。生物多様性に関する講義と浄水場の見学では、自然を守り、環境を保護する大切さを痛感し、防災センターでの地震・強風体験では災害の恐ろしさを実感しました。平時から環境保護を意識してこそ、災害時により適切な対応ができ、自分や周りの人の命や健康を守ることができるのだと実感しました。訪日中の活動体験はとても充実したもので、日本の環境保護や防災に対する意識、伝統文化について深く学ぶことができました。日本で見聞きしたことを周りの人に紹介し、中国と日本の架け橋になれるよう努力していきたいと思います。
◆今回の環境防災講座と神奈川県総合防災センターでの体験を通して、日本は防災をとても大切にしている国だと実感しました。日常生活の中で、このような演習をすることで、一般市民は防災意識を高め、未知の災害への対処や個人の安全確保に役立てることに繋がるのだと感じました。植樹活動では大自然の力を体感し、動物と樹木が力を合わせ大きな森をつくっていること、人間も積極的に植樹して自然を守るべきだと気づかされました。
◆横浜国立大学の学生とのディスカッションや交流を通して、文化交流の大切さや、世界中の人々が協力して明るい未来を創ることの大切さを学びました。中国と日本は違いもありますがより多くの共通点があります。共に世界の政治経済大国として、共に東アジア地域の国として、手を携え、世界の国々と共に、人類の運命共同体を実現すべきです。帰国後は、この経験を生かして、一生懸命勉強し、中日平和友好のために自分なりの努力をしていきます。
◆今回の友好交流を通じて、日本企業の企業理念と革新的な成果に深く感銘を受けました。ファナックの卓越性の追求と厳格な哲学に大いに刺激されました。将来の仕事や人生に活かしていきたいと思います。また、日本でたくさんの風景に触れ、温泉を体験しました。日本は精緻で礼儀正しい先進国です。優雅な庭園と美味しい食べ物があり、帰るのを忘れてしまうほどだと感じました。帰国後は、日本の先端科学技術や美しい景観を積極的に発信し、日中友好を増進していきたいと思います。
◆この植樹活動を通して、日本も中国も自然に対する考え方は似ていて、大自然と共生することを選択していると実感しました。環境保護と資源の保全は、我々が今後行うすべてのことにおいて真剣に受け止める必要があることだと思います。というのも、今回の日本での滞在で最も感銘を受けた言葉は、「すべては平凡だが、平凡なことをうまくやることは平凡ではない」というものです。私は今後の仕事において、地に足をつけて学び、学んだことを応用し、細部にまで注意を払い、すべてを真剣に受け止めたいと思っています。帰国したら、日本で見たことを友達に伝え、日本の文化を伝え、機会があればまた日本を訪れたいです。
◆この活動を通して、誰もが自分の行動で環境保護に貢献し、環境を改善できることを実感しました。また、環境防災の分野における各国の共通点と相違点について学びました。どの国にも独自の環境保護政策がありますが、最終的な目標は環境を保護し、汚染を減らし、生態系を保護することであることを実感しました。帰国後は、環境意識と行動の大切さを周囲に伝え、祖国を守るため、環境保護活動に積極的に参加してもらいたいと思います。同時に、自分の経験や感情を他の人と共有し、彼らに日本の環境政策や対策を理解してもらい、自らの環境保護行動を改善していけるようにします。より良い未来は、皆が環境保護に積極的に関わってこそ、共に創っていくことができると信じています。
◆四川省の姉妹都市である山梨県の訪問は今回が初めてで、富士山の美しい景色を体験しただけでなく、山梨県の風習や文化についても学ぶことができました。富士山麓では、四川省の大学生と山梨県立農林大学校の学生が一緒に友好の木を植えました。この植樹方式はとても良いと思います。植樹をしながらの交流は、両省・県の若者たちの距離を縮め、理解を深め、友情を深めました。今後は、山梨県庁との意思疎通をさらに深め、防災・減災分野における日中両国の交流・協力に引き続き尽力したいです。