青少年交流事業
招聘

「日中植林・植樹国際連帯事業」 2023年日中恐竜交流青少年代表団

本事業は、恐竜、古生物学研究の分野、及び日本との交流に関心のある中国の小学生(高学年)から大学生を訪日招聘し、植樹活動、環境・防災に関する視察等を通じ、参加者の環境・防災意識の啓発を図るほか、恐竜を切り口とした日本の青少年等との交流や文化・社会・歴史に関する視察など、多面的な日本理解につながる活動を行い、日中両国青少年間の相互理解と友好促進を目的として実施しました。

日中両国の環境保全政策について意見交換

環境省担当者より、「日本の気候変動対策」「日本における地域脱炭素の取組」をテーマとした講義を受けました。その後、中国生態環境部担当者より、「ダブルカーボン目標における中国の気候変動政策と取組」について説明があり、日中双方向での質疑応答・意見交換を行いました。

東北地方の脱炭素先行地域にて各自治体の取組と現状を理解

環境省東北地方環境事務所では、地域経済の活性化・災害時の安全確保や住民の快適な生活など、地方創生の観点から脱炭素先行地域の取組を中心に理解を深めました。 岩手県久慈市では、脱炭素先行地域の取組についての講義を受けた後、久慈バイオマスエネルギー株式会社を訪問し、木質バイオマスを用いた燃料供給について学びました。岩手県宮古市では、東日本大震災の被害を受けた田老地区を視察後、宮古市担当者より復興計画における再生可能エネルギーの取組を中心とした講義を受けました。宮城県東松島市では、災害対策・住宅整備・再生可能エネルギー普及を含む復興まちづくり計画の講義を受けた後、スマート防災エコタウンや野蒜地区を視察し、復興地域における取組について理解を深めました。

首都圏で環境関連団体・施設を視察し、関係者と意見交換

地球環境戦略研究機関(IGES)葉山本部を訪問し、日中の違いを熟知した研究者たちより、気候変動・エネルギー領域における研究活動の概要や、日本のカーボンニュートラル戦略の最新動向などの説明を受けました。葉山町と共同で実施しているフィールド研究現場の視察では、環境問題への具体的な解決策について学びました。 川崎市環境総合研究所では、公害克服の歴史と取組について説明を受けた後、屋上のオゾン監視施設などを視察し、大気汚染物質のデータや情報を正しく公開することで、周辺企業の環境意識の啓発に効果的であることを理解しました。横浜市資源循環局鶴見工場では、焼却フローを中心に見学し、日本のごみ収集・分別の政策と技術、および再生可能エネルギー転換の現場を視察しました。

招聘期間2023年8月20日 (日)~8月26日 (土) 6泊7日
招聘人数31名(団長1名、引率・事務局等4名、学生26名)
団員構成中国の小学生(高学年)から大学生
実施団体(公財)日中友好会館
派遣協力邢立達 ディープタイムデジタルアース恐竜タスクグループリーダー・博士
在中国日本国大使館
内  容・植樹活動
・環境・防災に関するセミナー・視察(博物館等)
・日本の青少年等との交流
・その他、日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等
8月20日(日)PM来日
8月21日(月)AM国立科学博物館 視察・セミナー・交流
PM歓迎会
8月22日(火)AM福井へ移動
PM福井県内視察
8月23日(水)AM植樹活動
PM福井県立恐竜博物館 視察
8月24日(木)AMホームビジット(福井市)
PM大阪へ移動
8月25日(金)AM大阪市立自然史博物館 視察
PM堺市総合防災センター 視察
8月26日(土)AM帰国

◆視察した3つの博物館はとても印象深く心に残っています。国立科学博物館を訪問した際、日本の学生と深い交流をしました。彼らのリーダーシップの下、日本の古生物への理解が深まり、古生物に興味を持っている友人がたくさんいることをとても嬉しく思いました。福井県立恐竜博物館は私が一番行ってみたかった博物館で、日本に来る人にはぜひこの博物館に足を運んでみてくださいと勧めたいです。博物館は非常に包括的なコンテンツを展示しており、恐竜の愛好者であるかどうかにかかわらず、楽しい時間を過ごすことができると思います。博物館の展示物の紹介部分に点字がついていたのにも感動しました。日本のバリアフリー設備はとても整っていて、学ぶ価値があると思いました。大阪市立自然史博物館の恐竜の展示スペースはそんなに大きくはなかったですが、世界中の恐竜の化石が収められていました。
また、ホームビジットでは、日本の文化や習慣について学ぶことができました。防災訓練の体験では、突発的な災害への対応力も強化できました。また日本を訪れ交流や学習する機会があればよいな!

◆今回の活動は、両国民の友好を促進し、社会と人類にとっての環境保護と自然災害軽減の重要性を強調しているものでした。中国と日本の学生が一緒に博物館を見学し、それぞれの国を紹介し、互いに恐竜について学び、地球に関心を寄せることができました。言語は違いますが、世界をより良い場所にするという共通の目的によって結びついています。この経験を通して、私は中国と日本の真の友情を深く感じました。政治の影響や文化の差異なく、ただ普通の人達が肩を並べて行動し、交流するだけで、一見単純で平凡に見えますが、将来への自信と責任を表していました。同時に、その過程でたくさんの新しい友達に出会い、彼らが実際に私と非常に似ていることに気づきました。スポーツ、音楽、映画等が好きで、同様なプレッシャーと課題に直面し、未知のものを受入れ、より良い未来になることを望んでいました。とにかく、この活動は、他の国の文化的背景の中で普通の人々がどのように生きているか、そして彼らが彼らを取り巻く環境と世界をどのように変えたいかを探求する機会を私に与えてくれました。

◆日本の恐竜について多くのことを学び、同時に古生物への理解も深まりました。国立科学博物館でも、福井県立恐竜博物館でも、大阪市立自然史博物館でも、講師が丁寧に講義内容を準備してくれて、古生物の謎についてより詳しく教えてくれました。また、日本の学生と楽しい時間を過ごし、お互いの国の恐竜について学びました。
植樹活動では、環境保護意識を高め、両国の友好関係を深めました。世界の環境が目に見えて改善され、私たちの共通の地球村が保護されることを願っています。また、地震や火災、津波などへの対処法を学ぶ防災活動にも参加しました。私はこの知識を中国の人々に広め、予期せぬ状況下で他の人を助けたり、大災害が起こる前に、死傷者を減らすことができるようになればと思います。日本人の防災意識は心に刻みこまれているので、地震や津波が頻発していても、死傷者数が比較的少ないです。これらは学ぶところだと思いました。

◆日本人との交流を通して、彼らが皆熱意を持って丁寧に生活していることが分かり、学ぶものがありました。植樹活動に参加することで、環境保護の大切さや植樹の大変さを実感し、環境保護に取組む人たちをより尊敬するようになりました。今後は皆がもっと積極的に環境保護に取り組むようになると思います。そして、日中青少年交流を象徴するこの「友好の樹」が、元気に成長することと信じています。
今回の活動では、多くの恐竜博物館を訪れ、研究者の紹介に注意深く耳を傾け、多くの新しい専門知識を学び、古生物と恐竜に関するいくつかの誤解を正すことができ、多くのことを得ました。もともと私は基本的な恐竜の種類しか知りませんでしたが、新鮮な感覚で恐竜についてたくさん覚えることができ、知識と人生経験が豊かになりました。将来、日本に来て、恐竜の化石を調べ、日本の友達ともっとコミュニケーションを取り、学ぶ機会があればいいと思います。帰国後、日本の習慣や日本人が恐竜や防災を重視していること、新種の古生物の発見を期待していることを友人と共有したいと思います。

◆日本は活断層が多くあり、国土も狭いため、津波や地震などの災害に見舞われることが多いですが、中国ではこうした壊滅的な災害が発生する確率は低いです。このため、中国の小学校から高校まで防災訓練は行っていますが、学生の意識は比較的低いです。日本に来る前は、地震対策の知識は三角形の空間や開けた場所に逃げるということくらいで、心肺蘇生法の重要性や、家に何を置くべきかを知りませんでした。日本の防災に対する重視度と防災知識の普及は、中国の学生にとって参考になると思いました。
今回、東京と福井と大阪にある3つの博物館を訪れたことが、とても印象深いです。日本では、古生物学や進化学に興味があるかどうかにかかわらず、誰もがこの分野の素晴らしさを体感できるよう意図して博物館を建てていると感じました。そのため、展示ホールには、非常に詳細な紹介があり、書籍に記載してある地球の進化に関する知識は、言葉や写真の形で博物館内に展開されていました。この形式なら、誰もが首尾一貫した知識を学ぶことができまると思います。帰国したら、こうした博物館のデザインを家族や友人と共有したいです。中国もこのような博物館のデザインと展示から学び、より多くの人々が訪れるようにできると信じています。

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