「JENESYS2022」中国農村青年幹部フォローアップ事業 オンライントークセッション ~コロナ後の農村振興~
農業・地方行政分野における「コロナ後の農村振興」をテーマに、JENESYS事業への参加経験がある被招へい者に対するフォローアップ及び日中両国の相互理解と友好促進を図ることを目的に、本交流を実施しました。
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Highlight
はじめにファシリテーターがコロナ直後の日本の農業におけるプラス面・マイナス面を紹介し、今後の農業・農村戦略をどう考えていくべきかと問題提起しました。続いて日本側よりコロナ禍による具体的な影響のほか、地域の資源を生かした観光農園や森林バイオマス発電、スマート農業や新規就農者を増やす取組み、民間企業として取り組む環境保護や地域の社会貢献など、さまざまな「農村振興」に関する取り組みが紹介されました。中国側からは、彼らが取り組む農村建設として、景観やインフラ環境の整備、文化を掘り起こし観光業を盛り上げる地域振興等について紹介されました。
参加者から「賞味期限切れの商品の処分方法」「Eコマースの販売方法」等の質問が挙がり、最後にファシリテーターから「農業を他の産業や地域資源と掛け合わせ新しい地域の産業を生み出すことが、これからの日中両国が共有できるテーマである」とのメッセージが伝えられました。
実施概要
実施日時 | 2023年3月23日(木) 9:55~12:05(日本時間) |
参加者 | 登壇者7名 |
日本側:ファシリテーター1名、訪日交流の受け入れ先3名 中国側:2016年、2018年度に招へいした中国農村青年幹部3名 | |
視聴者17名(過去の訪日交流参加者) | |
実施団体 | (公財)日中友好会館 |
協 力 | 中国日本友好協会 |
内 容 | 「コロナ後の農村振興」をテーマとしたトークセッション、質疑応答等 |
実施方法 | Web会議サービス「Zoom」を使用したオンライン交流 |
主なプログラム
① 開会 (趣旨説明、参加者紹介)
② ファシリテーターによるイントロダクション
③ 日本側登壇者3名による発表
1)都市と農村の交流の今後について
2)長崎県農業の今後の方向性
3)その後の歩みと今後の課題と目指す方向性
④ 質疑応答、ファシリテーターによるまとめ
⑤ 中国側登壇者3名による発表
1)新時代・新使命―住みやすく働きやすく美しい農村の建設に向けて大学生村官の果たす新たな役割
2)「ポストコロナ時代」の新しい農村振興―農村の農村への回帰
3)ポストコロナ時代の美しい農村建設
⑥ 自由討論、ファシリテーターによる総括
参加者の感想
《中国側参加者》
◆行政関係者
今回の発表を聞いて、コロナ後には農村復興のチャンスがあると感じました。また、日本の農村発展のビジョンや発展の方向性から、私たちの村を発展させるための新しい考え方や方法を学ぶことができました。2016年の訪日時よりも、特色ある農業がより成熟していると感じました。資源面での強みを活かすだけでなく、技術力や人材をうまく活用していました。私たちも資源と条件を組み合わせれば、農業の発展に大きな成果をあげることができると信じています。
◆行政関係者
コロナ後の日本の農業の発展について深く学び、大変刺激を受けました。農家が毎日生産、販売して野菜の鮮度を保つとともに、農産物のロスを削減する等、日本の農業ネットワークの先進的な取り組みはとても勉強になりました。私たちも農家と連携し、タイムリーな情報伝達の仕組みを作ることで、在庫や供給の問題を解決できると思います。
◆行政関係者
日本の再生可能エネルギーや生態系保護への取り組みは優れていると思いました。日本の農業は、あらゆる段階において徹底的に研究されていて、ロスがなく、トレーサビリティの仕組みが整っており、農産物の品質が保証されていて、農村の発展に計画的に取り組んでいます。コロナ禍で企業が生き残ることは容易ではありませんが、 企業家は非常に現実的で謙虚だと感じました。
《日本側参加者》
◆行政関係者
今回、むらづくりをテーマに発表を行いました。中国側の発表も同様のテーマで行われましたが、お互い、「美しいむらづくり」を目指して行っていることが分かり、川場村が長年取り組んできたことは間違いではないのだと嬉しくなりました。
同時に設備投資などに国力の違いを感じました。中国の方の生の声を聞くことができた貴重な機会をいただきましてありがとうございました。
◆農業経営者
民間企業での視点からの発言でしたが、環境資源を活かした中国での農村の開発の進め方や規模にとても驚きました。日本の場合では、地方での都市開発には大規模な投資がなかなか進まないので、財源なども気になりました。また、インフラへの投資だけでなく、文化的レベルを上げるための設備投資を含めた教育に、とても感心しました。
SDGsの観点からも農村地域の復興が上位の課題と位置づけられ、推し進められているようで、日本も同調して何かできればと思うばかりです。