「JENESYS2022」日中青年環境創生フォーラム ~私たちの未来のために~
日中国交正常化50周年を記念し、日中の大学生・青年が次なる日中友好の歩みを共に展望し、相互理解を深めることを目的に、環境分野における近未来の共通の目標である「カーボンニュートラル」をテーマに取り上げ、“自分ごと”(自身や身近なこと)として何ができるかを考える交流を行いました。
Contents
Highlight
質疑応答を通じ、日中の講師が若者を激励
基調講演後の質疑応答では、7名の大学生・青年が質問。温室効果ガス排出量の評価における「スコープ3」の扱い、再生可能エネルギー導入の段階に話が及ぶと、日本側講師の山本良一先生は、政策や政府のリーダーシップが不可欠であるが、同時に若者が社会を転換するエネルギーとなって、その必要性を要求していくことが重要であると強調しました。中国側講師の陳迎先生は、外国語専攻の学生が取るべき行動、学校教育における取り組みについての質問に対し、将来のキャリア形成も視野に入れ、カーボンニュートラル実現には環境分野専攻以外の学生であっても自らの専門分野を活かす役割があること、専門分野の中での啓発が求められている事例を示し、激励しました。
「カーボンニュートラル、何から始める?」―― 暮らしの中にある提案を発表
基調講演後の質疑応答では、7名の大学生・青年が質問。温室効果ガス排出量の評価における「スコープ3」の扱い、再生可能エネルギー導入の段階に話が及ぶと、日本側講師の山本良一先生は、政策や政府のリーダーシップが不可欠であるが、同時に若者が社会を転換するエネルギーとなって、その必要性を要求していくことが重要であると強調しました。中国側講師の陳迎先生は、外国語専攻の学生が取るべき行動、学校教育における取り組みについての質問に対し、将来のキャリア形成も視野に入れ、カーボンニュートラル実現には環境分野専攻以外の学生であっても自らの専門分野を活かす役割があること、専門分野の中での啓発が求められている事例を示し、激励しました。
講評でのアドバイス
山本先生はLCA(Life Cycle Assessment)による検討をアドバイス。また、日本側の発表について「中国側に比べ、社会への働きかけのところが弱い」と指摘したうえで、NGO設立や起業といった積極的なアクションを奨励しました。陳先生は、若者の熱意ある提案と活発な議論を賞賛。未来への期待を込め、カーボンニュートラルの達成だけでなく、消費や社会・経済の発展にも常に目を向けることが重要であると強調し、一緒に追求していきましょう、と温かく呼びかけました。
実施概要
実施日時 | 2022年12月16日(金) 14:00~17:55(日本時間) |
参加者 | 環境問題に関心を持つ大学生・青年 |
中国大学生・青年 32名、日本大学生 37名 | |
実施団体 | (公財)日中友好会館 |
協 力 | 中国宋慶齢基金会 |
内 容 | 「カーボンニュートラル」をテーマとする日中双方による基調講演、座談会 |
実施方法 | Web会議サービス「Zoom」を使用したオンライン交流 |
主なプログラム
①日中代表挨拶(ビデオメッセージ)
②趣旨説明、参加者紹介
③基調講演、質疑応答
テーマ:2050年カーボンニュートラルに向けての提案-日中友好学術交流40年の経験を基に
講 師:山本 良一 東京大学 名誉教授
テーマ:カーボンニュートラルと青年の使命
講 師:陳 迎 中国社会科学院生態文明研究所 持続可能な発展経済学研究室 研究員
④座談会 Part1 優秀提案発表
1)日中審査員からの講評
2)大学生・青年代表(提案者)によるプレゼンテーション
⑤座談会 Part2 トークセッション
⑥基調講演講師による総括
参加者の感想
《中国側》
◆【青年】日本と自国の教授によるオープニングの講義には大変励まされました。最後の発表後のコメントやまとめも、参加者が今後の研究の正しい方向性を理解するのに役立つものでした。
◆【大学生】中国と日本では、国情の違いから、カーボンニュートラルへの取組みの方向性が異なりますが、今回の交流を通じて、お互いに長短を補い合えることがわかりました。また、新しい考え方や方法も数多く学べました。
◆【大学生】今回の交流で、冷蔵庫の節電を工夫することや、料理を半人前ずつ注文して無駄をなくすことなど、生活における環境保護のためのちょっとしたテクニックを学びました。中日両国には環境保護に関する政策が数多くありますが、特に若者の環境保護意識が重要で、環境保護に関する活動を積極的に行い、無駄をなくしていかなければなりません。
◆【大学生】日本では多くの大学に独自のカーボンニュートラル計画があることを知り、中国でのカーボンニュートラルの今後の展開について、いろいろと考えることができました。また、山本教授からLCAの視点を取り入れたカーボンニュートラルの検討を提案していただいたことは、私の今後の研究にとって大きなヒントとなりました。また、“豆腐”の提案については、カーボンニュートラルを今後もっと楽しい方法で宣伝していけるなと思いました。
《日本側》
◆【大学生】同世代の人の活動や意見を聞くことができて、とても感動しましたし、尊敬できる点もたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。周りを巻き込んで発想を行動に移している報告を聞いて、自分にもなにかできることがあるかな、と改めて考えさせられました。
◆【大学生】カーボン・ニュートラルの取り組みとして、日頃からできる工夫や、食文化を通したもの、周囲を巻き込んだ参加型のものなど、皆さんの提案から、数多くの取り組みが思っている以上にあるのだと気づきました。そのすべての提案に共通することが、自分からやる、行動を起こすということであり、やはり、脱炭素社会は1人1人の取り組みが肝心となってくると思いました。この機会を通して、自分でできることを考えながら、行動に移せるようにしたいと思いました。また、中国人の方と共通の課題を通して交流することができ、楽しかったです。
◆【大学生】中国におけるダンボールのリサイクル事例や生ゴミの資源化が特に興味深かったです。中国ならではの取り組みではありますが、日本でも可能であればやってみたいと感じました。
◆【大学生】今回のオンライン交流を通じて、とても勉強になりました。両国の非常に優秀な講師と参加者と交流ができ、自分の視野を広げられました。今回のオンライン交流は学校では得られない非常に貴重な体験だと思います。これから、カーボンニュートラルの実現など人類共通の課題を解決するには、国際協力がますます重要になってくると実感しました。今後、さまざまな社会活動を積極的に参加し、自分の力を貢献して行きたいと考えています。