若き津波防災大使(日中植林・植樹国際連帯事業)
本事業は、「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として行われ、世界25カ国の高校生に、日本の津波の歴史や地震・津波への備え等の防災・減災の取り組みを学ばせ、今後の課題や自国での展開等の議論を行うことにより、各国共通の課題である地震・津波等災害の脅威や防災の知見を伝え、将来、地震・津波等災害の影響を最小化し、国土強靭化を担うリーダーを育成することを目的として実施しました。
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Highlight
スタディツアーで新潟の防災・減災について理解を深める
日本在住の外国人留学生と日本人高校生が参加し、3班に分かれてスタディツアーを実施しました。
1班は、親松排水機場で水害対策等を学んだ他、佐渡では高潮対策堤防の視察を通じ、佐渡の津波防災体制や対策について学びました。
2班は、里山現代美術館 MonETやまつだい農舞台、燕市産業史料館等の視察を通じ、災害と芸術の関わりや災害による地域の産業発展について学んだ他、トヤ沢砂防堰堤、長岡震災アーカイブセンターきおくみらい等で、地震や洪水等の自然災害に対する新潟県の取り組みや自分でできる避難方法、災害に対する備え等について学びました。
3班は、フォッサマグナミュージアム、フォッサマグナパークで自然環境や地震等の自然災害について学んだ他、山古志復興交流館おらたる・木籠集落等の視察を通じ、地域の地震の取り組みや復興の経験等について学びました。
最後に全員で新潟東港にて全員で防災訓練を行い、緊急支援物資の輸送訓練や給水訓練等を体験しました。
「世界津波の日」2022高校生サミット in 新潟に参加
「世界津波の日」高校生サミットは、2015年12月に国連で制定された「世界津波の日」(11月5日)の啓発イベントの一環として開催される青少年による国際会議で今回が第5回目となります。新型コロナウイルスの影響により、海外からの訪日招聘が叶わないため、海外の高校生はオンラインで参加しました。
世界25カ国の高校生と日本人高校生が“復興を力に、経験と教訓を世界へ”~雪国で育まれた助け合いの精神から学ぶ防災~をテーマに、3つの分科会に分かれて議論しました。また、日本在住の留学生と日本人高校生が共同でユキツバキを植樹し、記念碑除幕式を行いました。総会・閉会式では、各分科会で話し合った成果を発表し、最後に世界中の人々が自然災害への意識を持ち続けられるよう、世界へ防災の輪を広げていくという思いを込めた「新潟フェニックス宣言」を採択しました。
実施概要
実施日 | 2022年10月12日(水)、10月17日(月)~10月20日(木) |
人 数 | 105名(外国人留学生31名、海外高校生(オンライン参加)74名) |
構 成 | 25カ国の高校生(日本在住の外国人留学生含む) |
実施団体 | (公財)日中友好会館、(株)JTB |
協 力 | 各国関係機関 |
内 容 | ・「世界津波の日」2022高校生サミットin 新潟への参加、記念植樹 |
・スタディツアー(防災・減災に関する視察・参観、日本の高校生との交流等) | |
・防災・減災に関する学習プログラム(動画配信)等 |
主な日程
10月12日(水) | オリエンテーション、防災・減災に関する学習プログラム |
※海外高校生のみオンラインで参加 | |
10月17日(月) | スタディツアー |
~ 10月18日(火) | ※日本在住の外国人留学生と日本人高校生のみ参加 |
10月19日(水) | 「世界津波の日」2022高校生サミットin 新潟 |
~ 10月20日(木) | ※日本在住の外国人留学生は会場で参加、海外高校生はオンラインで参加 |
参加者の感想
※「世界津波の日」2022高校生サミット in 新潟、以下「サミット」と記載
《外国人留学生・海外高校生》
◆ブルネイ
災害が起きた時、特に津波のリスクを防止または軽減するための日本の技術は、私が予想していたよりもはるかに優れていました。
◆カンボジア
日本人や他の交換留学生と環境について議論し、新しいことを学ぶことを楽しみました。国に戻っても、日本のように災害に苦しむことはあまりないですが、将来起こり得る状況に備え、考えていこうと思います。サミットで学んだことは、万が一の場合の対応や災害への備えに役立つでしょう。 私は自国の大使としてこのプロジェクトに参加できたことに感謝しています。このサミットで学んだことを家族や友人などできるだけ多くの人たちに共有し、私が学んだように災害について認識し、立ち向かえるようにします。 「あなたは一人にされない」のスローガンのように。最後になりましたが、このサミットを成功させたすべての組織とスタッフに感謝したいと思います。このサミットは交換留学生としての私にとって忘れられない経験となることでしょう。
◆中国
このイベントは私たちに多くのコミュニケーションの機会を与えてくれました。アイスブレーキングのような交流活動を通じて、異なる国や文化、私たちのユニークな個性を、お互いに受け入れ、本当に理解することができたのは、最も価値のあることだと思います。調査と議論の方法も良かったです。自分の能力を最大限に活用し、新しい知識を学びながら自信を得ることができました。
◆デンマーク
植樹活動の体験がとても良かったです。
◆ドイツ
地震が発生した場合の基本的な行動と、私の一般的な経験をドイツの家族や友人と共有したいと思います。
◆インド
防災に対する意識を高めるすばらしいプログラムだったと思います。 国内外の高校生と一緒に参加できたのは本当にすばらしく、魅力的でした。 他の高校生と災害を防ぐ方法について意見やアイデアを共有するチームセッションは楽しかったです。将来、災害のリスクを軽減する方法をいくつか発見できたと思います。
◆インドネシア
このサミットでは、特に、環境と災害に関する意識と知識が高まりました。 これはまた、私たち全員が積極的な地球市民になることを間接的に奨励していると思いました。
さまざまな活動の中で、若い頃から社会に貢献できることはいろいろあると気づきました。 また、常に親切に思いやりを持ち、周囲に敬意を払うことも大事なのだと思いました。 小さなことの積み重ねが重要だと気づきました。
◆マレーシア
最も印象に残っている活動の1つは、植樹イベントです。 自然災害に対する認識への各国の貢献を象徴するすばらしい方法だと思いました。
新潟でみんなが見た特別なパフォーマンスは驚くべきもので、日本の美しさを常に思い出させてくれます。異なる背景、文化、人種を持つ私たちが全員で一緒に見ているときは特に、本当に団結しているということと平和を感じることができます。
今回のプログラムは、自然災害がどのように作用し、それが人々の幸福と社会機能に与える影響について、多くの疑問を抱かせるきっかけになったと思います。 身の回りの状況を知るだけでなく、行動を起こし、貢献することにもっと注意を払う必要があることに気づきました。 今までで最もやりがいのある経験の1つだったので、この機会を得ることができてうれしく思います。
◆ミクロネシア
私は日本が非常に多くの災害に苦しんできたことに気づきました。世界中の高校生が考えたアイデアは、彼らが経験したことを克服するのに役立つと思いました。
◆モンゴル
さまざまな国からの留学生が一堂に会し植樹活動を行うのはとても刺激的でした。皆、世界的な問題について話し合ったり、世界平和のために木を植えたりしていたのが印象的でした。
◆ミャンマー
自然災害による被害を未然に防ぐためには、備えが非常に重要であることがわかりました。
また日本の高校生はとても親切に接してくれました。オンラインでコミュニケーションをとらなければならないという非常に大きな障壁がありましたが、とても歓迎してくれました。彼らは皆、私とは異なる経験や意見を持っており、災害に対する私の見方を広げてくれました。
◆パプアニューギニア
多くの国が、住んでいる環境に応じて、災害から身を守るために、さまざまな種類の機械や建物を構築または作成するためのアイデアや方法を考え出していることに気づきました。
◆フィリピン
多くのことを学び、高校生としてすばらしい経験を積むことができました。私はオンライン参加でしたが、他の学校の生徒と一緒に活動してとても楽しかったです。
◆大韓民国
日頃の意識がとても大事だということを学びました。日本の学生は英語を学ぶことにとても熱心で、マナーも良いことに気づきました。
◆スリランカ
自分の命を守り、他の人の命を救う手助けについて学ぶのは、私の人生にとって非常に役に立つことだと思いました。スリランカでは災害がほとんどないためか、私の国にはそのような災害意識プログラムがありません。植樹活動、自然を守ることは、災害を防ぐために私たちが最初にできること。 より多くの木を植えることができれば、もっとすばらしいものになると思いました。
◆タイ
多くの人に出会い、日本人と留学生の新しい友達ができて良かったです。今回の活動を生かしたいと思います。
母国と日本では違いがたくさんありますが、タイ人は災害時にあまり行動を起こすものではないと考えているので、意識したほうがいいと思いました。
◆トルコ
人生観が本当に変わりました。参加できてとてもよかったです。
◆米国
積極的に植樹活動や環境・防災に関する視察・交流に参加しました。視察や交流で感じたこと、今後の仕事や生活に役立ったこと、共通点や相違点として気づいたことなど、帰国後に伝えたいと思います。
◆ベトナム
私は常々、日本が相次ぐ自然災害にどのように耐えているのか疑問に思っていましたが、このイベントは、皆さんが現在、災害を防ぎ、災害から立ち直るためにどれだけうまくやっているかを多く教えてくれました。
《日本人高校生》
◆防災の意識を身につけることができたのが一番の大きな学びだった。また、さまざまな活動を通してたくさんの友達を作ることもでき、国際交流を行うことができた。本当に良い経験をすることができ、うれしく思っている。
◆災害による被害を目で見ることができ、改めて災害の恐さを感じました。また、災害だけの対策ではなく連鎖的に起こりうるものに対しての対策も大切と感じました。なにより他県、他国の方達と交流し、意見を交わし合うことでより一層考えを深め合うことができたと思います。このような機会があったことで一人一人の意識が高まったと思います。
◆スタディツアー全体を通して、特に防災訓練が印象に残った。防災訓練では、物資を運ぶ際に列になって荷物を運ぶことで、全員で協力し、早急に対応することの大切さを改めて学んだ。一人では時間や手間がかかってしまい、達成することが難しい物資の支援でも、その場にいる全員で協力し合うことで効果的かつ効率的に物資を届けることができると学んだので、これから災害が起こった際に物資、避難などさまざまな面で「協力」をキーワードとして今回の経験を活かしていきたい。
◆自分たちの命を守るためには地域に密着した防災をしていくことが一番の近道だということを学びました。私たちの地域は、外国人の方や障がい者の方へのサポートが十分にされていないので、災害に強い地域づくりのために高校生だからこそできること、ひとつのやり方に縛られない、新しい防災を積極的にやっていきたいです。
◆スタディツアーを通して、新潟県で起こったさまざまな災害に関する知識を深めることができた。新潟の中越地震などは自分が生まれる前の発災で正直なところあまり知らなかったのだが、水没した民家や地すべり、また仮設住宅の跡地(シビックコア)などさまざまな災害遺構をみて、知識を深めることはもちろん、自身の防災意識を高めることができた。今回の経験・知識を地域に持ち帰って共有し、災害に強いまちづくりに取り組んでいきたい。