派遣

「JENESYS2024」日本大学生訪中団第1陣 

本事業は、中国日本友好協会の招聘に応じて大学生・大学院生を中国に派遣し、「中国とのふれあい」をテーマに、大学訪問やテーマに関する視察・交流等を通じて同世代交流を行うことで、両国の若者の間に友情を醸成し、相互理解の更なる深化を目的として実施しました。

Highlight 

中国の2大学を訪問して同世代と交流 

北京体育大学では、中国大学生の案内によるキャンパス見学や、武術体験を通じた学生交流を行いました。太原科技大学では、キャンパス見学をした後、日中の学生が自由に意見交換して交流を深めました。互いの専攻や興味のあること、将来のことなど話題も多岐にわたり、連絡先を交換し、その後も交流を続ける様子も見られました。

中国の文化・歴史に触れる 

「中日映画交流」をテーマとした講義を受講し、映画を通じた交流の歴史や互いの文化に与えた影響などについて理解を深めました。また、世界遺産万里の長城、雲崗石窟などの参観を通して中国の歴史や文化を感じました。

実施概要 

派遣期間: 2024年7月28日(日)~8月3日(土) 6泊7日間 

派遣人数: 59名(団長、団員53名、(公財)日中友好会館事務局等5名) 

実施団体: (公財)日中友好会館 

受入機関: 中国日本友好協会 

内  容: ・大学訪問・同世代交流
      ・中国の経済・社会・文化・歴史等に関する視察・参観
      ・中国に対する包括的理解促進につながるプログラム等 

主な日程 

7月28日(日)
AM 北京着
PM 世界遺産万里の長城(居庸関)参観
 
7月29日(月)
AM 講義 テーマ:中日映画交流
PM 北京体育大学訪問・交流、歓迎会
 
7月30日(火)
AM 松下記念館訪問
PM 山西省大同市へ移動、古城壁参観
 
7月31日(水)
AM 大同市唐家堡村産業・文化施設視察、華厳寺・九龍壁参観
PM 雲崗石窟参観
 
8月1日(木)
AM 太原市へ移動、応県木塔参観
PM 太原科技大学訪問・交流
 
8月2日(金)
AM 山西省博物院参観
PM 歓送会報告会、北京市へ移動
 
8月3日(土)
AM 帰国

参加者の感想 

◆私が視察・訪問先での交流に関する最大の収穫は「日中関係は民間レベルで改善の余地がまだまだある」と感じたことだ。中日友好協会の方々をはじめとして、北京体育大学の学生、太原科技大学の学生が私たちに対して親身に接してくださり、今後日中友好の懸け橋となれるような人々がたくさんいることを認知できた。訪中団の大きな目的として、「メディアで作られた印象ではなく自分の目で日中関係がいかなるものかを確認する」ということが挙げられていたと思う。その意味では前述したような人々が中国に多くいることを知り、訪中団としての大きな成果があったと感じている。私は来年から鉄鋼の専門商社で働くため、中国とは経済面で切っても切り離せない関係であることは重々理解している。しかし、経済的な関係ではなく、少しでも多くの国民がお互いの国への偏見をなくし両国の交流がより深まっていくことが真の友好であると考え、今回見聞きしたことを周囲の人間にしっかりと伝えていきたい。

◆現地の人たちのあたたかい人柄を知ることができました。具体的には、同行のガイドさん、視察先の施設の担当者さん、現地大学の学生たち、食事をご用意してくださったご担当の方々です。特に、行程の序盤において、北京体育大学の学生から「中国人には遠慮はいらないよ!特に学生には、どんどん聞きたいことを聞いて」と言われたことで、その後の滞在期間では上述した方たちと多様な形で交流することができました。交流では良い意味でのカルチャーショックをたくさん経験しましたが、そのなかでも特に、現地の方々の優しい部分、あたたかい部分、ホスピタリティの高さが、すごく印象に残りました。いちばんわかりやすいのは、料理店や販売店などのお店の方々です。私たちが立場としてはお客にあたる、というのも理由ではあったかとは思いますが、すごく小さな点から言えば、お茶は飲み干す前に注ぎに来てくださるし、テーブルの諸不備等にはすぐに対応してくださるし、パフォーマンス的な料理の出し方をされることもありましたし、翻訳機を使った対応を嫌がられることもなかったし、中国語が通じないことがわかれば電卓とジェスチャーで対応してくださったし、など、など、どんどん思い出します。今回の旅では、色んな形あるモノにも触れましたが、現地の方のあたたかい心という、形のないモノにも触れることができたことが、印象に残っています。

◆中国の歴史ある各所を巡り、古くからの中国の形や多くの中国人観光客もガイドの音声を聞いて熱心に回っている様子を見て、古き良き中国の姿の重要さを再認識しました。また、大学生との交流の中で、日本のアニメやゲーム、小説などの文化について日本人よりも詳しかったりすることが印象的でした。そのような文化から日本語を学習してくれているように、私もより中国の文化を吸収しながら中国語を学んでいきたいと思いました。そして、農村の近代化事業についての視察では、農業から農村を発展させようとする姿勢や、スローガンを目にして党の方針を鑑みることができ、印象に残りました。全体を通して、普段の観光だけでは見ることのできないようなところや交流ができたため、多くの気づきを糧にできました。

◆現地のさまざまな学生と交流することで、日本との相互理解が重要であることを再確認しました。文化的な違いを尊重しつつ、互いを理解し合おうという姿勢が、今後の日中関係にとって大切であると強く感じました。

はじめ私は、国が違うということだけで、言語や文化の違いから、壁を感じていました。しかし、交流を重ねていくにつれて、中国の方のフレンドリーで気さくな国民性を感じることができました。とても温かく私たちを向かい入れてくださり、すぐに親しみを持って接してくれる姿勢に感銘を受けました。

このような経験から、相互理解が日中関係においていかに重要かを強く感じました。互いを理解し合おうとする姿勢が、これからの日中関係をさらに良いものになっていくのではないでしょうか。

◆講義や多くの日中友好を願う人たちとの交流を通じて、今、日本と中国において政治的な隔たりは確実にあると言えるが、それでもできる範囲で日中の関係を良くしたいという強い志を持つ多くの人に出会えたことが私にとって価値があった。正直、中国に訪問するまでは決して好きと言えない、むしろその逆の気持ちが強かった。しかし現地に訪れ、リアルな中国に触れることで良い所、悪い所をしっかり理解することができたと言える。良い所は、料理・文化・歴史など多々あるが、特に二つ「人」と「効率性」を実感した。月並みな表現になるが「人」は温かく、どこにいっても歓迎していただき、嬉しい気持ちでいっぱいだった。現地の大学生との交流では、互いに尊敬の念をもって楽しく会話することができた。「効率性」というのは、決済方法のことである。特にアリペイ、wechatペイの他アプリとの紐づけがとても使いやすく支払い、移動、情報の入手がとても簡単であった。おかげさまで観光時の不安感というものがほぼなく心強かった。悪いところは「衛生観念」と「謙虚さが足りないこと」に尽きる。両者も仕方ないことなのかなと、それが中国であらば文句は言わない。そして、そんなことで中国が嫌だとも思わない、むしろ今回の訪中は中国の魅力が上回り好きになった、またすぐにでも訪れたいと思っている。最後に訪中関係者への感謝と、その想いを少しずつ繋げ日中関係を小さなところから良くしていきたいと思う。

◆日本と中国は似ているようで異なる点がたくさんあると感じた。私たちや中国に行ったことのない人たちは心のどこかで「日本と中国は漢字や強い繋がりからどこか似ているのではないか」と思っていると思う。もちろん似ている部分もあるが、似ている、同じだと思いすぎると差異に直面したときに中国に対して良くない印象を抱くのではないかと思う。今回の訪中を通して中国は日本と異なる文化やおおらかさを持っているなと感じたし、その差異を楽しむことができた。中国に深い魅力を感じることができた。今回気づいた中国の魅力(人のあたたかさや歴史的奥深さなど)を自分の同級生や家族に発信し、たくさんの人に中国を知るきっかけを作っていきたいと思う。自分自身もまた中国を訪れてさらなる魅力を知っていきたい。