青少年交流事業
招聘

「日中植林・植樹国際連帯事業」 2024年日中緑化協力林業青年代表団

本事業は、植林・植樹を通じた日中交流を第一線で担う中国国家林業・草原局及び関係機関に所属する青年を訪日招聘し、植樹活動をはじめ、「林業改革、森林の持続可能な経営」をテーマに、環境に関するセミナー、企業や関連施設の視察・交流等を行い、参加者の環境保護意識の啓発と対日理解の一層の促進を図ること等を目的として実施しました。

日本の林業政策を理解

林野庁担当者より、「日本の森林・林業の概要」というテーマでブリーフィングを受けました。団員は、日本における森林資源の循環利用促進や森林の経営管理のための取り組み等に高い関心を示していました。質疑応答では、「森林の機能面と経済面のメリットについて、どのようにバランスをとっているか」、「現在利用期を迎えている木材は、1970年代に植えられたものだと思うが、当時の方針や背景が知りたい」、「日本の森林においては、どのような防火・消火の対策をとっているか」など、多くの質問が寄せられました。

企業による、国産材の利用促進や林業にかかわる人材の育成について学ぶ

都内では、三菱地所ホーム株式会社を訪問しました。同社が展開する国内森林資源の活用、木の出会いの場を創造する情報発信活動「KIDZUKI」、社員の森林教育等を目的とした「YAMANASHI BASE」の取り組み等について説明を受けたほか、山梨県で林業を営む有限会社藤原造林より、持続可能な森林・林業への取り組みについて説明を受けました。森を育てる・守る・使うという循環を継続させるため、企業間がどのような協力をしているか、また国産材の活用を推進するためにどのような方策を取っているかを知る、貴重な機会となりました。

山梨県にて、森づくりの取り組みの説明を受け、森林利用の現場視察や植樹活動を実施

山梨県では、やまなし森づくりコミッションを訪問し、山梨県の森林の概況や、県民・企業・団体など、さまざまな主体による森づくり活動をサポート・推進する取り組みについて学びました。また、山梨県立の保健休養林・武田の杜を訪問し施設の説明を受け、森林セラピーの体験を行いました。森づくりの取り組みを学び、森林利用の現場を視察することで、地方における林業・森林経営の現状を体感することができました。 三菱地所ホーム株式会社の青空オフィス「YAMANASHI BASE」では、有限会社藤原造林のサポートのもと、団員全員でカラマツ・クリ・サクラの苗木を合計100本植樹しました。

招聘期間2024年10月28日(月)~11月1日(金) 4泊5日
招聘人数30名(団長、事務局等2名、団員27名)
実施団体(公財)日中友好会館
派遣団体中国国家林業・草原局
内  容・訪日テーマ「林業改革、森林の持続可能な経営」に関する交流、視察
・植樹活動
・環境に関するセミナー
・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等
10月28日(月)PM来日、歓迎会
10月29日(AM林野庁ブリーフ
PM三菱地所ホーム(株)訪問交流、(有)藤原造林ブリーフ・交流、山梨へ移動
10月30日(AMやまなし森づくりコミッション 訪問・交流
PM三菱地所ホームの青空オフィス YAMANASHI BASE訪問・視察、植樹活動
10月31日(AM武田の杜 訪問・視察
PM東京へ移動
11月 1日(AM外務省表敬訪問
PM都内視察・参観、帰国

◆今回の日本への旅は短かったですが、日本がとても礼儀正しく、自然を愛する国だと感じ、私はこの国がさらに好きになりました。山梨県の78%が森林に覆われていることに感銘を受け、講義や学習を通じて、これは山梨の人々の世代を超えた伝承の結果であり、自治体、社会団体、企業、さらには人々のそれぞれが、植林に多大な貢献をしてきたことを実感しました。そしてこの点は、森の幼稚園の子供たちが自然の中でのんびりと遊んでいるのを見た時、最高の理解に達しました。自然保護は、私たちと将来の世代が、陽光と森林と空気のあるこの美しい地球を享受するためであり、全世界の責任と使命なのです。

◆私たちは大きな政府と小さな社会モデルを通じて、政府の財政が緑化に対するより多くの責任を負っていて、企業、団体、協会、個人等の社会は、ほとんど参加していません。反対に、日本は小さな政府と大きな社会で、社会が大きな役割を果たしており、政府機関はどちらかというと架け橋のような存在です。これはもちろん政府の形態に関連していますが、行政の合理化と権力の委任という一般的な方向性の下では、社会がより多くの役割を果たすこともその中に含まれていなければなりません。政府は引き算を行うだけでなく、社会的足し算もうまく行う必要があります。生態は国の、地域の、惑星の、共通の責任です!木は、どこで育つにせよ、大きな視点から見れば、人間の生活環境を改善しています。ですから、全人類、社会全体が参加することが非常に重要です。

◆数日前、私は植樹活動に参加する機会に恵まれましたが、それは単なる野外活動ではなく、心の洗礼と成長の経験でもありました。自分の手で土に苗木を植え、それらが風に揺れるのを見て、生命の活力と未来への希望が見えてきたように感じました。

◆武田の杜での森林セラピー体験は、印象的だった部分です。森林セラピーの過程では、嗅覚から始まり、聴覚、触覚、視覚等の五感を徐々に開き、森林との深い接触を通じて森林と対話することで、自身を癒す効果が得られます。現場では、森の幼稚園の子供たちが授業に参加しているのも見かけました。彼らの教室は壁に囲まれておらず、森全体が彼らの教室であり、子供たちは自然に触れて幸せに成長することができます。この点は、中国国内の幼稚園が学ぶ価値があります。

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