若者に日中の未来を託す ―日中国交正常化50周年にあたり
黄 淑柔
日中友好会館 理事
一般社団法人東京華僑総会 理事
50年前、日本は日中友好ブームに沸いていました。その立役者は何と言ってもジャイアントパンダの“カンカン”と“ランラン”だったと思います。
50年経った今でもパンダは日本国民にずっと愛されています。しかし、日本と中国の関係はどうでしょう?本来パンダは友好の使者であったはずが、友好が切り離されてしまいました。
それには様々な要因があると思いますが、原因の一端は両国のメディアにあると私は思います。
日本に於いては、毎日のように中国の負のイメージに繋がるニュースが報道され、中国では、抗日戦争や軍国主義を題材にしたドラマが数多く放送されていたと聞いています。
これでは、両国は友好どころか、好感が持てない間柄になっても仕方ありません。
このような状況下で、やはり大事なのは、両国の未来を担う若者の育成、若者の交流だと思います。今こそ日中友好会館が本領を発揮する時ではないでしょうか。
何故ならば日中友好会館には、後楽寮という留学生の寮があり、学生たちは日本の有名大学に通っています。その学生たちを中心に、若者の興味のある様々な情報を発信して、意見交換や交流の場を作り、お互いの国に興味を持ってもらえたらと思います。
今大事なのは、隣国である日中両国が、足の引っ張り合いをするのではなく、お互いに理解し協力して、アジアのリーダーシップを築くことだと思います。
故周恩来総理も言われたように、“前事不忘、後事之師”。若者を中心に、過去のことは忘れずに、後々の戒めとして、友好という未来に向かって前進して行けたらと切に願います。
2022年2月14日