これからの日本と中国の関係はどうなるのか?
岸本 將裕
一般社団法人岸本倶楽部 理事
岸本倶楽部は、1986年以来36年の長きに亘り、日中友好会館後楽寮の中国から日本の大学へ留学生として来られた800名を超える皆さんにささやかながら奨学金を授与して参りました。
また、当倶楽部が所有しておりました「日光山荘」を日中友好会館様へ無償譲渡し、日中友好会館様の管理のもとで延べ6,500名の留学生の皆さんに利用していただきました。
2005年には中国教育部のご招待により当倶楽部の会長、専務理事で中国旅行をし、かつて日本に留学されていた後楽寮OBの皆さんと旧交を温められたのは、今も楽しいとても大切な思い出となっております。
そうした御縁で、新型コロナウイルス感染症が国内でも拡大する以前、中国から日本の大学へ留学生として来られた皆さん達と対面する機会を頂いておりました。留学生の皆さんは、それぞれ目標は違っても充実した国内の留学生活を送られていることを私自身肌で感じ、昨今の外交安保とは少なからず違った温度感の印象を受けたことを覚えています。
日中国交正常化が進んだ1970年代からのおよそ20年において、当時の日本経済界は中国が戦争賠償を放棄したことに深い感謝をし、国内企業が中国企業に対して技術を教え、経済発展の協力を惜しまない関係にあり、以来50年が経った現在の中国はGDPやGDPシェアでも世界第2位の経済大国へ成長しました。
現在、日中間のネガティブな要件が存在することは否定できるものではありませんが、日本に魅力を感じて、留学に来られる方、ビジネスに来られる方、或いは観光に来られる方々をお迎えし、国外から見た日本の視点により国内を客観的に捉え、将来成長の糧とすることも一つのアイデアではなかろうかと思うようになりました。
日本と中国が経済交流を深めていった時代と共に成人へと年齢を重ねた私は、今回のコラム寄稿を進めるに当たり、日本と中国の歴史的な関係を振り返る貴重な機会を頂戴しましたこと、この場をおかりして日中友好会館様へ感謝申し上げます。