民意の基礎を固めるために行動派として乗り出したい

 中日国交正常化50周年を迎え、中日交流に従事してきたジャーナリストとして、胸の中には万感が交差している。特に近年の民意基盤の悪化には胸を痛めている。世論調査によると、日本の対中非好感度は近年90%近くの高位に差し迫り、中国側の対応も年々高くなっており、今年も楽観視できない。原因はいったいどこにあるのだろうか。
 『人民中国』の最新号の国交正常化50周年記念特集に、元国家ラジオテレビ映画局長だった劉建中氏が1981年に撮影したドキュメンタリー『訪日見聞記』についての寄稿を掲載している。当時の日本の企業管理状況と農協の組織経営状況や、社会生活を紹介したこの映画は、改革開放初期に日本の先進的な経験を学ぶための啓蒙的な役割を果たした。日本のある方が読んで、映画に出てきた日本企業が今では中国の民間企業に買収されていることはどう見るべきだろうかとの質問が出た。
 この質問は代表的な危惧と言えるだろう。日本に謙虚に学ぶ姿勢を映し出したこの映画を通して何を読み取るべきか。私から見れば、このような隣国の長所を学ぶ姿勢に加え、中国人が何十年も払ってきた革新的な努力により、中国の企業理念、製品の品質が向上し、経済全体が追いついてきたということだろう。これは中国式近代化の道の成功と中日経済の相互補完の潜在力を反映しているのではないか。「未完の対局」は中日の宿命で、絶えず心理状態を調整することが大事だ。中国は謙虚で慎重な姿勢を保つべきだし、日本も中国の平和的発展の事実を直視し、平和的発展を通して共に繁栄を築くことが両国人民の根本的利益に合致することを認識しなければならない。
 また、日本の民衆の中国に対する態度は決して世論調査の冷たいデータが示すほど絶対的ではない。メディアの一方的な報道の要素は看過してはならず、さらに「沈黙の大多数」の戸惑いがある。全面的で客観的な報道、対話の深化、疑問の解消などは理解の深化、相互信頼の増進に大切だ。
 2004年にスタートした北京-東京フォーラムは、18年間途切れることなく、多分野の広範な討論を通じて多くのコンセンサスにたどり着いた。その成果を中日メディアにより積極的に報道してほしい。
 一方、世論調査によると、若い回答者の対中好感度は40%以上に達している。この点は中日の未来の可能性を大きく示唆している。
 『人民中国』は2014年に中日関係が低迷期にあった時、「パンダ杯」全日本青年感知中国作文コンテストを開催した。8年間を経て多くのOBが、今や各分野で活躍している。『人民中国』は行動派としての存在感やあげた成果を誇りに思っている。これからも行動派として乗り出し、困難に満ちた時期こそ新しい道を模索し、民意の基礎を固めることに一役を買うよう、うんと頑張っていく所存だ。

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