日中友好の歴史をともに紡いで
成澤 廣修
日中友好会館 評議員
文京区長
日中国交正常化50周年、誠におめでとうございます。
文京区は戦前より現在の日中友好会館の地に留学生寮があっただけでなく、正常化以前から小石川伝通院前の川口アパートメントに廖承志東京駐在事務所が開設されていた正常化前夜の歴史を共有する地です。
区民等の国際理解促進のため二胡や古琴等の中国伝統楽器演奏、変面など伝統芸能・文化の紹介、文京区国際交流フェスタへの参加を通じた中国伝統文化の発信等により、留学生と区民の交流を深めてきました。
後楽寮には現在に至るまで5,000人以上の留学生・研究者が寄宿し、区内19大学等で勉学に励みつつ、日本の文化や習慣を学び日中友好の重要な懸け橋となってきました。
また、文京区は北京市通州区と2019年、友好協力関係を発展させ、文化・スポーツ・教育等様々な分野で市民交流が進むことを目的とした協定を締結しました。今後、両区の更なる交流により、相互の発展に努めてまいります。
国交正常化50周年の本年8月には、区民有志と区議会日中議連の皆さんにより「文京区日中友好協会」の設立がようやく整いました。
さて、ここで私の家族とある中国人家族との交流を紹介したいと思います。
我が家に長男が誕生した2010年2月、その誕生祝に病室を訪れた妻の友人(中国人)からある相談を受けました。天津に在住する姪がクローン病となり中国の病院では手の施しようがなく成長が望めず何とか日本の病院で治療を受けられないかとの相談でした。そこで文京区の教育委員でもある区内大学病院の小児科教授に相談したところ「それは私の専門分野です」と。何という僥倖でしょう。早速、日本に来た家族は後楽ガーデンホテルに長期滞在することに。幸い父親は法政大学への留日組で大の親日家であり、子どもたちも天津日本人学校に通い日本語が話せたので、長期入院中、姉は文京区立金富小学校へ短期通学しました。帰国後も病気との付き合いは10年以上続きましたが、今はほぼ完治。姉妹は現在早稲田大学に留学中です。2020年の文京区の成人式には姉妹揃って参加してくれました。その後も両家族の交流は続いています。父親は国交正常化50年に何とか間に合わせようと12月21日(水)~23日(金)の3日間、日中友好会館美術館で開催される「TOKOTOKO 北京の街角 田中政道写真展」の開催に尽力しています(https://jcfcmuseum.jp/events/event/tokotoko)。
日中国交正常化50周年にあたり「飲水思源」を大切にしつつ、さらに日本と中国の市民レベルの交流が促進され、相互理解と親睦が図れる事業を通じた日中友好のお手伝いを文京区も進めてまいります。
成人式記念 はたちのつどい 中国留学生たちとの記念撮影
「TOKOTOKO 北京の街角 田中政道写真展」開幕式にて